IWAI Mika | 岩井 美佳 Dyeing Artist , Japan
私にとって「染める」ということは、水のとおり道をたどり、 モチーフの面影を布に留めていくことです。
布に色水を垂らすと、色水は布の繊維の流れに沿って、ゆっくりと広がっていきます。 私はその広がりを観察しながら、「糊防染」という手法を用いて水のとおり道を整え 布にモチーフの面影を残していきます。
色水が乾くと、そこには色素だけが残り、水のとおった跡が浮かび上がります。 その痕跡がモチーフのイメージを残すことは、生命がそこにあること、あったことを留めるのに とても向いているように感じます。
「ものごとが移り変わる過程に顕れる一瞬の美。それは失われる過程にさえも存在する。 その瞬間を掬い上げるような制作を続けたい」と日々制作しています。
For me, "dyeing" is the process of tracing the path of water and capturing the essence of motifs on fabric.
When I pour colored water onto the fabric, it slowly spreads along the fibers. As I observe this spreading, I use a technique called "resist dyeing" to gradually adjust the path of the water, leaving traces of motifs on the fabric. This technique involves using resist to control the area where the dye spreads, allowing for more intricate designs.
Once the spreading settles and the water dries, only the color remains. The phrase "the trace of water" comes to mind. This phenomenon, where the trace of water leaves the essence of the motif, seems to be particularly suited for preserving the memory of life.
I continue my work every day with the thought, "There is a fleeting beauty in the process of things changing. Even in the process of fading away, beauty exists. I want to capture even a small part of that."
2001年 大阪大学工学部応用自然科学科応用化学コース 中退 2005年 金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科日本画専攻 卒業 2010年 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科工芸専攻染織コース修士課程 修了 2022年 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科美術工芸専攻工芸領域染織分野博士後期課程 修了 学位論文「線刻糊防染による記憶の表現」 https://kanazawa-bidai.repo.nii.ac.jp/record/704/files/67_iwai.pdf
<展覧会> 2015年 転調絵画の夕べ(ギャラリーヨルチャ/大阪) 2016年 VISUAL SONIC2016(金沢市民芸術村アート工房) 2017年 問×美2017(問屋まちスタジオ/金沢) 2018年 ARTS PLANET 2018 銀河音楽室 (金沢21世紀美術館、名付けようのない季節と岩井美佳として) 2019年 portReport 平成30年度金沢美術工芸大学大学院博士後期過程1年研究制作展 (金沢しいのき迎賓館) 染め・時間の堆積展(蔵スタジオ×おけらcafe/野々市) 2020年 ART NAGOYA 2020(ホテルナゴヤキャッスル、booth:galleria PONTE) 2021年 金沢市民芸術村開村25周年3工房合同企画「100の季節」作品展示 &ワークショップ岩井美佳「100色の絞り染めに挑戦!」(金沢市民芸術村アート工房) 2023年 アートフェア東京2023(東京国際フォーラム、booth:金沢クラフトビジネス創造機構)
<個展> 2015年 浮遊するリアル(金沢アートグミ) 2019年 #assemble_moments(金沢市民芸術村アート工房) 2020年 染む・記憶 糊染めと線彫技法による記憶の表現(アートベース石引/金沢市) 2022年 染む記憶−線刻糊防染による記憶の表現−(ギャラリーSOUVIN /金沢市)
<公募展> 2005年 第20回国民文化祭・ふくい2005 美術展 日本画部門佳作(福井県立美術館) 2006年 トーキョーワンダーシード2006 入選 2008年 第一回沖縄アートフェスティバル入選(浦添市美術館/沖縄) 2018年 文化庁メディア芸術祭 エンターテイメント部門審査員推薦作品 (影の色彩ワヤンプロジェクトとして) http://archive.j-mediaarts.jp/festival/2018/entertainment/works/21ej_Ama/ 2021年 工芸2021 審査員賞受賞(雪梁舎美術館/新潟) https://www.komeri.bit.or.jp/setsuryosha/event/2021/210702.html 2022年 ぎふ美術展 工芸部門 優秀賞受賞
〈収蔵〉 金沢美術工芸大学 〈インタビューなど〉 「和音のような色 ― テクノロジーを活用した新しいアート表現 ―」 ITビジネスプラザ武蔵 モチモチトーク https://www.bp-musashi.jp/report/d_16.html 「誰かの記憶にも同期する「忘れたくない今」を染めて」 金沢クラフトビジネス創造機構 ジャーナル https://www.kanazawacraft.jp/journal/journal-3760/