IWAI Mika | 岩井 美佳 Dyeing Artist , Japan
記憶の中にある手触りを頼りに、モチーフが有する生命力を染め上げる。
日々の花のドローイングを出発点に、偶発性を含む染織技法に支えられながら 絵画的な平面作品を制作しています。
私の作品における花は、時間や環境と呼応しながら生きる『しなやかなエネルギー』の象徴です。
布に刻んだ防染糊を伝う染料は葉脈のように広がり、深く伸びやかな線を生み出します。 絡み合う刺繍糸は緻密な組織を結び、かつて見た花々の形や記憶を立ち上らせます。
ものごとが移り変わる過程で生じる一瞬の美。 それは、たとえ失われゆく過程の中にも存在します。
私は、その瞬間を掬い上げ、作品を通じて新たな場に静かに息づかせることを目指しています。
I express the vitality of floral motifs through dyeing and embroidery, guided by universal yet deeply personal impressions drawn from the motifs I cherish in daily life.
Starting with daily flower drawings, I create painterly flat compositions supported by textile techniques that embrace spontaneity.
In my work, flowers symbolize a "resilient energy" that lives in harmony with the passage of time and its surroundings.
Dye flows along the resist paste imprinted on the fabric, spreading like leaf veins to create deep, flowing lines. Threads of embroidery intertwine intricately, forming delicate structures that revive the shapes and memories of flowers once seen.
There is a fleeting beauty that emerges in the transitions of life. It exists even within the process of loss.
Through my work, I aim to capture those moments and allow them to quietly breathe life into new spaces.
2001年 大阪大学工学部応用自然科学科応用化学コース 中退 2005年 金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科日本画専攻 卒業 2010年 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科工芸専攻染織コース修士課程 修了 2022年 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科美術工芸専攻工芸領域染織分野博士後期課程 修了 学位論文「線刻糊防染による記憶の表現」 https://kanazawa-bidai.repo.nii.ac.jp/record/704/files/67_iwai.pdf
<展覧会> 2015年 転調絵画の夕べ(ギャラリーヨルチャ/大阪) 2016年 VISUAL SONIC2016(金沢市民芸術村アート工房) 2017年 問×美2017(問屋まちスタジオ/金沢) 2018年 ARTS PLANET 2018 銀河音楽室 (金沢21世紀美術館、名付けようのない季節と岩井美佳として) 2019年 portReport 平成30年度金沢美術工芸大学大学院博士後期過程1年研究制作展 (金沢しいのき迎賓館) 染め・時間の堆積展(蔵スタジオ×おけらcafe/野々市) 2020年 ART NAGOYA 2020(ホテルナゴヤキャッスル、booth:galleria PONTE) 2021年 金沢市民芸術村開村25周年3工房合同企画「100の季節」作品展示 &ワークショップ岩井美佳「100色の絞り染めに挑戦!」(金沢市民芸術村アート工房) 2023年 アートフェア東京2023(東京国際フォーラム、booth:金沢クラフトビジネス創造機構)
<個展> 2015年 浮遊するリアル(金沢アートグミ) 2019年 #assemble_moments(金沢市民芸術村アート工房) 2020年 染む・記憶 糊染めと線彫技法による記憶の表現(アートベース石引/金沢市) 2022年 染む記憶−線刻糊防染による記憶の表現−(ギャラリーSOUVIN /金沢市) 2024年 胞膜 - houmaku- (ひいなアクションギャラリー/金沢市)
<公募展> 2005年 第20回国民文化祭・ふくい2005 美術展 日本画部門佳作(福井県立美術館) 2006年 トーキョーワンダーシード2006 入選 2008年 第一回沖縄アートフェスティバル入選(浦添市美術館/沖縄) 2018年 文化庁メディア芸術祭 エンターテイメント部門審査員推薦作品 (影の色彩ワヤンプロジェクトとして) http://archive.j-mediaarts.jp/festival/2018/entertainment/works/21ej_Ama/ 2021年 工芸2021 審査員賞受賞(雪梁舎美術館/新潟) https://www.komeri.bit.or.jp/setsuryosha/event/2021/210702.html 2022年 ぎふ美術展 工芸部門 優秀賞受賞 (岐阜県美術館) 以下2024年入選
〈収蔵〉 金沢美術工芸大学 〈インタビューなど〉 「和音のような色 ― テクノロジーを活用した新しいアート表現 ―」 ITビジネスプラザ武蔵 モチモチトーク https://www.bp-musashi.jp/report/d_16.html 「誰かの記憶にも同期する「忘れたくない今」を染めて」 金沢クラフトビジネス創造機構 ジャーナル https://www.kanazawacraft.jp/journal/journal-3760/